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2019年度 訪日教育旅行の受け入れ状況に関するアンケート調査結果の公表

お知らせ
2020.11.16
日本政府観光局(JNTO)では、日本全国で訪日教育旅行の受け入れを担当している組織・団体(都道府県の観光部署や観光振興団体など)に対して、2019年度の訪日教育旅行の受け入れに関するアンケート調査を行いました。48の組織・団体へアンケートを要請して回答を得た47件の内容を集計し、本ページにて公開いたします。

本アンケート調査は各担当者の把握状況に基づく回答であり、各地域の正確な受け入れ状況を反映しているものではありません。また、本アンケート調査回答では、2019年度3月末までに全体の交流件数の約1割が新型コロナの影響により中止という結果でした。

1.市場別訪問者数の割合

市場別の訪問者数の割合は、台湾からの訪問が40%、中国からの訪問が39%であり、台湾と中国からの訪問者が全体の約8割を占めました。教育旅行の目的や内容は、国や地域、年齢によって様々です。日本への教育旅行の希望があった場合は、そのニーズに合った地域の窓口を紹介しています。




2.受け入れ実施学校数の割合

受け入れ実施学校数は、高等学校が最も多く43%を占めました。次いで小学校が22%、中学校が19%と続きました。また、受け入れ実施学校の7割以上が公立学校という結果となりました。高等学校による日本への教育旅行は特に多く、その目的は学校交流や日本語学習、文化体験、学校視察など様々です。




3.学校交流の申し込みから受け入れまでに要する日数

訪日教育旅行に付随して行われる学校交流において、申し込みから実際の受け入れまでに要する最短日数について調査しました。その結果、61~90日という回答が43%、31~60日という回答が34%となり、最短でも1~3ヶ月ほどの期間が必要との回答が7割以上を占めました。

間近になってからの交流申込は、日本側の受入学校を見つけにくいという問題があり、マッチングが間に合わないこともあります。また、充実した交流を行うためには、事前準備が欠かせません。JNTOでは最短でも2ヶ月前の段階で、各組織・団体へ申し込みいただくことを推奨しています。




4.学校交流での平均的な交流時間

学校交流での一日の平均的な交流時間は、3~4時間がという回答が47%、2時間以下という回答が11%であり、半日以内での交流が5割以上を占めました。5~6時間という長時間の交流は4割弱に留まりました。

交流時間については、訪問側から昼食を含む長時間交流の希望が増えているようです。また、お互いの学校の生徒同士が一緒に行動し、コミュニケーションを取り合うような本質的な交流を求める声もあるようです。




5.学校交流のための専用の申請書

組織・団体で、学校交流の申し込みの際に専用の申請書を用意しているという回答は49%、用意していないという回答は47%で割合はほぼ半々となりました。専用の申請書の提出をお願いすることで、訪問側の学校交流の目的や希望などを確認することができ、マッチングの際のミスマッチ軽減にもつながります。




6.学校交流のマッチングを行う条件

6割以上の組織・団体で、学校交流のマッチングを行う際に一定の条件を設けているとの回答を得ました。具体的な条件としては、同一都道府県内での宿泊を旅程に組み込んでいることや、早い時期でのマッチング依頼、旅行行程表を事前に提出いただくことなどがあげられました。




7.民泊の受け入れ

民泊の希望があった場合に受け入れ可能かどうかという設問には、8割以上の組織・団体から可能であるとの回答を得ました。民泊に関しては訪問側からの要望も多く、今後民泊を取り入れた交流を推奨します。




8.大学生のマッチング

大学生のマッチングを行っているかどうかという設問には、6割以上の組織・団体よりマッチング可能との回答を得ました。日本の大学生との交流は、日本での就職や日本の大学・大学院への進学を目的としていることも多く、大学のレベルや学生の専攻する科目など訪問側からの希望が細かくなりやすいため、マッチングの難易度が高いという課題があります。




9.教育関係者の視察

8割以上の組織・団体で、学校への教育関係者の視察を受け入れているとの回答を得ました。教育関係者の視察に関しては、日本の有名大学の視察を希望する学校もあります。また、文部科学省指定のスーパーグローバルハイスクール(SGH)など、日本の先駆的教育制度の事例を参考にしたいとの要望が増えています。




10.事前学習の実施

事前学習をしているかどうかの設問には、いいえの回答が55%を占めました。事前学習を行うことで、海外への興味や異文化への理解が深まりますので、推奨いたします。




11.訪日教育旅行及び学校交流の受け入れに際する課題

受け入れに際する課題は、地域ごとに様々な意見がありましたが、主に以下の3点が挙げられました。

訪問の申し込みが遅い

交流相手校の国や地域によって事情も異なりますが、教育旅行の計画や手配自体が遅く、学校交流の依頼が遅くなるケースが多く見られます。マッチング調整も難しい他、受け入れ校の負担増につながります。

学校交流の実施確定後の中止

学校交流の実施決定後に、交流相手校の事情により学校交流が中止になってしまったり、中止ではなくとも直前での人数や交流内容の変更などが起こるとの意見も課題として多く挙げられました。

交流のマッチングが難しい時期がある

夏休み期間や年度末、年度初めなど日本の学校側で受け入れが難しい時期がある他、訪問国・地域に偏りがあり特定の時期に訪問希望が集中してしまうことにより調整が難しくなることがあるとの声も見られました。


12.2020年度の学校交流の受け入れについて(複数回答可)

新型コロナウイルス流行下における、2020年度の学校交流の受け入れ状況を調査しました(2020年度5月時点)。その結果、現在検討中であるとの回答が最も多く23件、現在も通常通り受け入れを行っているが、今後の受け入れが確定している学校はないとの回答が17件という結果でした。またその他、2020年度の受け入れは、今後の状況を見ながら検討するなどの回答もありました。




13.今後受け入れ頻度や規模、条件など変更になる予定はあるか

新型コロナウイルスの影響により、今後受け入れの頻度や規模、条件などが変更となる予定はあるかどうかの設問には、未定または検討中という回答が36%、変更になる予定があるという回答が25%を占めました。今後の受け入れの条件等については、教育委員会や受入学校等などの意向によって検討するという意見が多くありました。





新型コロナウィルスに関しては日々状況が変化するため、JNTOでは今後も定期的に受け入れ状況やコロナ禍での交流の取り組みに関してアンケートを行っていく予定です。



お問い合わせ
JNTO訪日教育旅行受入促進窓口
JNTO市場横断プロモーション部
訪日教育旅行受入促進窓口(日本語・英語対応)
TEL:03-5369-3336
E-mail:education@jnto.go.jp

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